インバウンドへの地域の努力

訪日外国人が増加したことで、企業も地方もインバウンドの可能性を真剣に考え始めるようになりました。東日本大震災を挟みつつも、岐阜県のようにシンガポールからの旅行者数を数倍に伸ばした都道府県もありますが、まだまだ手を拱いている自治体も多いのが現状です。多くの都道府県で自治体として観光政策に本腰を入れており、田舎の旅館であっても外国人旅行者を多数受け入れている光景もよく目にします。航空会社は国際空港から地方空港への乗り継ぎを格安にして振興を図っていますし、鉄道各社も観光地沿線にまつわる商品開発を実施したり、ホテルを整備したりしています。インフラ関連の企業は「LIVE JAPAN」なるサービスで連携し、外国人への情報提供に余念がありません。

 これら観光関連企業のみならず、インバウンド・ビジネスにチャンスを見出した起業も盛んです。地域の観光資源を活用したプランを販売したり、古民家のリノベーションによって宿泊施設を開業したり、オンライン上でガイドブックを公開したり、通訳案内士を独自のルートで紹介したりと、枚挙に暇がありません。宅配業者が外国人の手ぶらの観光を謳ったり、銀行が海外発行クレジットカードのキャッシングに門戸を開いたりもしており、業種を問わずインバウンド業界に関わる企業が増えています。

 ただ、これでも十分とは言えません。外国人旅行者の声として多いのは、「言葉が通じない」、「案内表示が不明」、「インターネット環境が悪い」、「ATMで自国のカードが使えない」、「クレジットカードで決済できない」等々です。これらの声に真摯に耳を傾け、更なる向上に努めなければなりません。それが観光立国に向けて舵を切った日本のあるべき姿です。

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